NMNサプリメントOEM製造の注意点

現在、NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)のOEM製造依頼が増えております。特に、NMN原料をご支給されるケースが増えております。
一方、こういったNMN原料をご支給されて製造される場合、注意点がございます。

NMNとは?NMNヒト臨床試験まとめ

NMN原料は、製造メーカーによって嵩比重が全く異なり、多くを占める嵩比重の軽い原料はハードカプセルに多く入らないという問題を生じることが多々あるためです。
※NMNは、減衰性や安定性の観点よりハードカプセルに充填されることが多いです。

弊社では、1号カプセルにNMNを200mgしか充填できなかったケースもあります。1号カプセルであれば、通常、350mgほど充填可能です。
また、流動性や固結性などの問題から、充填機の適正や技術の差で充填できないことも多々あります。

現在、弊社では、このノウハウを活かし、嵩比重の重い原料を採用してOEM限定で供給させていただいております。

また、NMN原料をご支給いただいてもOEM供給を行わせていただいております。
NMN原料をご支給いただく際、事前に、出来るだけ以下の情報をいただけますと幸いです。

嵩比重(必須)
原料の製造メーカー

実績のある原料製造メーカーの原料であれば、充填可能量などが弊社である程度の想定が可能です。
工場レベルや品質管理も想定可能です。

また、原料の保管状況などによって固結しやすい原料でもあるため、原料が固結していた場合、別途再粉砕の加工が必要になります。ご注意ください。

最後に、現在、NMNサプリメントOEM製造は、日本国内ではなく中国に販売される案件が多く問い合わされます。
正規輸出は、現段階において不可能と考えられるため、越境ECでの販売になるでしょう。
越境ECでも、配合できない原料はないものの、GPM工場での製造が必須となり、10都県以外での製造が好ましくなります。中国向けの商品の場合、その旨を担当者にお伝えくださいませ。

なお、高額な原料でもあるため、弊社では、原料品質管理を兼ね、充填加工前にNMN原料の純度分析(1検体5万円)をオススメしております。
※コエンザイムQ10ブームの時のように、偽物が安価に出回る可能性があります。
ご要望がございましたら、担当者にお伝えください。

また、NMNサプリメントを含め、中国向けの商品を作る際の注意点も紹介しております。
是非、こちらも、ご一読くださいませ。

中国向け商品製造の注意点

新たな注意点:支給原料の品質管理

弊社では、原料会社のノウハウを活用し、他社が嫌がるようなNMN原料を支給されてのOEM製造を受託しております。
それは、支給原料でも、品質管理サポートができるためです。時には、含有量分析のサポートまで行わせていただいております。

我々は、まず、上記の嵩比重と製造メーカー以外に正規輸入される原料であるか? を確認させていただいております。

次に、正規輸入を行わず、非正規の原料を用いて商品を作られる場合、販売ルートが日本を含むのか?中国だけなのか? を確認させていただいております。
非正規の原料を用いられる場合、仕入れの流通経路を確認させていただいております。

その理由が「新たな注意点」です。

一旦、顧客が自社(もしくは別の会社)に入れてから支給される場合は良いのですが、EMS等で直送された場合、届け先の受取人が輸入者となってしまうためです。
原料における健康被害等のトラブルは、原則、輸入者の責任となってしまいます。
当然、植物検疫も通していないため、企業リスクのレベルが格段に変わってきてしまいます。

加えて、直送納入される場合、インボイス上の価格が例えば100円などと実際の価格と乖離した価格で送られてくることがほとんどであり、この行為は、関税の脱税に該当します。そのため、現在、このような脱税行為を税関や税務署がチェックし始めており、いきなり輸入者に対して多額の関税(脱税なら+追加徴税)が請求されてしまう事例が生じてきております。

そういった理由より、弊社では、原料での中国からの直送納入はお断りしております。

NMN商品設計の注意点と組み合わせ素材

NMNの商品は、単味で用いられることもありますが、差別化戦略として、複合処方で商品化されるケースも非常に多いです。

その時、注意すべきは、「反応性」です。

弊社でも、NMNではないですが、シトルリン、オルニチン塩酸塩、カルニチン酒石酸塩、α-リポ酸、コエンザイムQ10などで、組み合わせによっては反応性を確認しております。同様な反応の可能性がNMNにもございます。
傾向として、吸湿性の高い原料が反応を加速させる傾向が認められます。吸湿性の高いハーブ抽出物なども、注意が必要です。
出来れば、最低限、テーブルワークでの簡単な加速試験を行ってから製造されることをオススメいたします。

NMNとの組み合わせNG素材例

ビタミンC
反応性が非常に高く、NMNと反応し、黒点の原因となります。どうしても配合する場合、コーティングビタミンCもしくは誘導体のアスコルビン酸カルシウムでの配合をオススメいたします。

PQQ・αリポ酸
ビタミンCほどではありませんが、反応性の高い素材です。NMN以外の副材と反応することもあり、特にビタミンCが配合される場合は、ほぼ黒点が出るものとお考えください。

還元型コエンザイムQ10
この素材は、空気に触れると還元型から酸化型へすぐ変化してしまいます。そのため、ハードカプセルや錠剤に加工した場合、還元型コエンザイムQ10ではなくなります。原則、ソフトカプセルに適した原料です。※注:ハードカプセルや錠剤に加工した場合、景品表示法上、還元型での表示保証は致しません。
コエンザイムQ10は、反応性も高い原料です。配合をご希望の場合は、シクロデキストリンに包まれ反応性が極めて低い包接体コエンザイムQ10の採用をオススメしております。

反応性による黒点の事例


NMNは、先述の通り、反応性があるため、原料の組み合わせよって、左写真のように黒点を生じることがございます。
人気の白色カプセルですと、写真のように黒点が目立ってしまいます。
ご注意ください。

写真:製造から約6ヶ月の状態(クリックで拡大)

【対策1】
赤ワインエキス末やビルベリーエキス末のようなアントシアニン系色素の強い素材を配合することがオススメです。反応して黒点を生じても、目立ちにくくなります。
(ビタミンB2やクルクミンのような黄色の色素では、不十分である可能性がございます。)

【対策2】
白色のカプセルより、ダークカラメルのカプセルの採用をオススメいたします。もしくは、ガスバリア性の高いカプセルをオススメいたします。

【対策3】
写真の商品には、コエンザイムQ10が配合されており、過去、チオクト酸(αリポ酸)・ビタミンCなどとの組み合わせで反応性を示しております。
コエンザイムQ10を配合する場合、包接加工された原料を用いることをオススメしております。

※還元型コエンザイムQ10は、ハードカプセルや錠剤に適しておらず、ソフトカプセルが適しております。一方、NMNは、ソフトカプセルに適していないため、両社の組み合わせはお断りさせていただいております。

最適な剤形

反応性や減衰を加味すると、ハードカプセル・顆粒・打錠での加工がオススメです。最も人気なのは、ハードカプセル(HPMCの植物カプセル)です。最近は、腸溶性カプセルが採用されることが多いです。
ソフトカプセルやドリンクへの加工は、減衰する可能性があるため、オススメしておりません。

また、中国への輸出をご検討されている場合、ソフトカプセルは、オススメできません。
中国におけるNMNサプリメント基準の中に、pH4.0以下という上限が設けられており、ソフトカプセル剤形では、そのpH基準を満たすことができないためです。
ご注意ください。

注意! 2022年6月23日
現在、カプセル会社の自主回収が起こっており、ハードカプセルの品薄状態がかなり深刻になりつつあります。NMN案件のほとんどがハードカプセルであり、弊社でも既存顧客向けに一部のカプセルは確保しておりますが、欠品している仕様のカプセルだと、供給ができないケースもございます。ご注意ください。
なお、この品薄状態は、当分続くと予測されております。特に、人気の白の耐酸性カプセルなどは、壊滅的な状況です。

ハードカプセルの品薄状態について

なお、現在、特殊な加工を施した錠剤への加工も増えてきております。おそらく、カプセル剤型では、ビジネスチャンスを逃してしまうと判断されての動きだと予測されます。

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NMNの原料選定

NMNは、2020年3月に「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に載り、非医薬品の成分として取り扱われるようになりました。
NMNの原料輸入の際、メーカー毎に製法や品質が異なるため、製造メーカー単位で厚生労働省の個別チェックが行われるよう指導されております。

一方、化学品や化粧品原料として輸入され、植物検疫を通さず、食品原料として輸入されていない原料も数多く市場に出回り始めました。原料支給される多くの原料が、非正規で輸入されている原料であるという状況も生じ始めています。
国内で流通する場合、非正規輸入された原料を用いると大きな問題に発展しかねないため、食品として正規輸入されているNMN原料を選定する必要がございます。

また、原料の純度管理が市場で求められていますが、NMNの分析は、吸湿さえしていなければ、分析精度の関係上、ほとんどのNMN原料で100%近い純度を示してしまいます。一方で、100%を示されなくても、吸湿しているだけで必ずしも不純物が多く純度が低いとは言い切れません。現在の分析精度では、その不純物量の評価まで出来ないというのが実際です。

AssayとPurity

NMNの試験成績書には、AssayとPurityという2つの項目が存在します。この2項目は、微妙な意味合いの違いが存在します。

まず、Assayとは、標準試薬を用い、検量線という物差しになるものを作成して、HPLCにて含有量を測定します。公的機関などにおける標準的な分析方法です。吸湿していない標準試薬を用いるため、原料が吸湿してしまうと、含有量が減ってしまいます。

次に、Purityとは、NMNの場合、主にLC-UVなどを用い、NMNとそれ以外のピークの面積比を用いて算出されます。その不純物が何であるか?までの特定(;定性分析)は、NMRなどでの分析が必要になります。
そのため、Assayと異なり、水分の影響を受けません。

したがって、水分含有量は最大1%になる可能性があり、Purityが99%以上であれば、Assayが+1%の98%以上であることが多いのです。この違いを理解し、NMNの数値がどちらであるか?も加味して、原料選定を行う必要があるのです。

基本、良質なNMN原料は、Purityでも99%以上の規格が設けられています。一方、現在、99.5%のPurityを求められる傾向も出てきており、その基準を満たす原料がなかなか存在しない現状があります。今後、NMN原料の課題となっていくと予測されます。


上記の現状より、98%以上のAssayと99%%以上のPurityを満たす原料は、一部存在し、弊社も使用条件の1項目としているのですが、どこの原料メーカーも、試験成績上の実地では満すことはあっても、99.5%以上でのPurity保証までできない現状があります。

そこで、原料選定に当たり、重要になってくるのは、製造工場のレベルです。
最低限、GMP工場で製造された原料を使用すべきであり、好ましくは、医薬品原薬工場(API工場)で製造されている原料を選定すべきなのです。
そういった管理基準で製造されている原料は、ほぼ98%以上のAssayと99%%以上のPurityも満たしています。

主な取り扱い原料の製造者情報

弊社では、ニーズ(コスト・品質・純度・最終加工国の原産国表示)に応じて、複数の原料を使い分けておりますが、主には、3メーカー(2メーカーはAPI工場)の原料を取り扱っております。

もちろん、食品として正規通関されております。
本原料を活用し、昨年より数多くの商品を製造させていただいている実績豊富な原料です。

なお、NMNの品質は、原料規格によっても、ある程度の判断ができます。含有量(Assay)は、98.5%以上が好ましく、99.0%がより好ましいです。
※含有量の100%に満たない部分は、不純物・水分・残留溶媒(主にエタノール)です。NMNの純度が高くても、水分を完全に取り除くことができないため、100%の規格ができないのです。
含有量ではなく、純度(水分などを除いた固体としての純度)として規格されている原料も存在しますが、特に合成法で製造された原料の場合、限りなく100%に近い原料が好ましいです。

また、弊社では、低嵩密度の欠点を克服するため、国内で高嵩比重に加工した原料も取り扱っております(原則OEM製造のみ)。この加工により、格段に高嵩比重の原料となり、カプセルに多くのNMNを充填できるようになっただけでなく、国内製造も謳えるようになっております。

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弊社のお約束:原料価格変動へ対応

NMN原料は、価格変動が激しい素材です。
現段階(2021年2月10日時点)において、原料価格が下がることで、1回目の製造時より2回目の製造時の方が、明らかにOEM商品コスト(原価)が下がっています。

そのまま、利益アップにされるOEM会社さんも多いのですが、弊社では、NMNの原料価格が下がった場合、必ずお客様向けの価格も下げさせていただいております。
思わぬ値下げでビックリされるお客様もいらっしゃいますが、重要なのは、お客様との信頼関係だと考えております。

弊社は、NMNのビジネスだけを行っているわけではないため、NMNの案件をきっかけに、少しでも多くの会社様と信頼関係が築けたらと考えております。

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